THEORIES:LEVEL_01

 レベル1では、格闘ゲーム初心者を対象に、フレームの概念と確定反撃を解説する。

フレーム

 ソウルキャリバーに限らず、格闘ゲーム全般の攻略を読み解く上で、「フレーム」の概念を理解する必要がある。フレームとは、元々映像分野の用語で、動画をコマ送りした場合の1コマをあらわす単位。
 ソウルキャリバーは1秒間を60分割した時間単位で処理を行っている(60fps、秒間60フレーム)。そして、コマンドが入力されてから相手に攻撃がヒットするまでにかかる時間や、ヒット有利・ガード硬直の時間差は、すべてフレームの数値として表すことができる。

 写真はピュラがスライドフロー(AA/上上)一段目をヒットさせるまでを録画して、1/60秒=1F(フレーム)ずつ分割して、静止画にして並べたもの(時系列はZ字に並べている)。
  • プレイヤーがボタンを入力。
  • 0F(写真最初)、ゲームの内部処理が入力を認識。
  • 1F(写真二枚目)、ゲーム内、ピュラがA攻撃のモーションに入る。
  • 11F(写真最後)、A攻撃がヒット
 攻撃モーションに入り相手にヒットするまでの時間を、技の発生と呼ぶ。このA攻撃の発生は11F。

基本データを読む

 このサイトの各キャラの攻略ページにアクセスすると、まずキャラクタのもつ技の基本データが表示される。攻略情報として、フレームデータ目的で参照されることから「フレーム表」とも呼ばれる。下記は、ピュラの技データの一部。

A系
技名
コマンド/判定
発生 DAMAGE GUARD HIT COUNTER 全体
硬直
備考
スライドフロー(1)
A/上
11F 10 −8F +2F +F
スライドフロー
A/上上
10,12 −6F
J−13F
+7F +F 一段目ガードから
二段目ジャストガード可能
スライドクイックニー
K/上中
10,14 −14F −2F +F
ティミッドヒルト
A/中
21F 18 −7F +6F
エンジェルパニッシャー
A/中
19F 24 −14F −2F しゃがみステータス8〜F
アンダースライドブレード
A/特下
13F 10 −6F +8F −F しゃがみ帰着
トゥインクルサテライト(1)
A/下
30F 22 −22F ダウン しゃがみ帰着
トゥインクルサテライト
A/下中
22,28 −22F 浮き ディレイ可能
一段目ジャストガード時、18F相打ち
カタルシスサテライト(1)
A/上
18F 20 −8F +4F +4F しゃがみステータス発生7〜12F
カタルシスサテライト(1)
Aホールド/上
38F 30 −1F スタン
+15F
+F ガードバースト可能
カタルシスサテライト
A/上下中
20,22,28 −22F 浮き +F
★BE
セラフィムサテライト
a-A+B+K/上下中下
20,22,
 28,38
−15F ダウン +F ガードバースト可能
カタルシスシャワー
B/上中
20,20 −14FS
J−20F?
ダウン +F カウンターで連続
ガードバースト可能

 ここまで解説してきた用語を手掛かりにすれば、これらの表の意味がだいぶ読み取れるようになっているはず。

発生 コマンドが入力されて攻撃判定が相手に触れるまでにかかる時間。
DAMAGE いわずと知れるダメージ値。総体力240点に対しての割合。
「C」と併記された値は、クリーンヒット効果(一定確率でダメージ+25%増)が発生したときのダメージ。
「F」と併記された値は、ファスト入力成功時のダメージ。
GUARD その技がガードされたときに背負う不利フレームの値(相手との時間差)。−8Fとあれば、8F出遅れることを意味している。
J−13Fといった具合に「J」とあるものは、ジャストガード時に背負うフレーム不利の数値(ジャストガードについてはおいおい説明)。
HIT その技をヒットさせたときに得られる有利フレームの値。+とあれば相手より早く動けるが、−とある場合は、せっかく当てても相手に出遅れてしまう。
「浮き」「ダウン」「スタン」とあるものは、相手側がやられすぎて、キャラクタが一時的に操作不能に陥っている状態。コンボに影響する。
COUNTER カウンターヒット時のフレームについてが記載される。
※この抜粋された分のデータではノーマルヒット時と変更点がなかったため、データが省略されている。

 −14Fといった具合にFのあとに「S」がつくものは、技のガード(またはヒット)後、相手を強制的にしゃがみ状態にさせる効果があることを意味している。
 写真、2P側ピュラのエンジェルミーティア(RUN中B/中)をガードした直後、1P側はしゃがみ状態になる。

 備考にある「しゃがみ帰着」は技の終了後、キャラクタがしゃがみ状態になることを意味している。写真、ピュラはアンダースライドブレード(A/特下)後、しゃがみ状態になる。
 しゃがみ状態は、システムの制約により一度立ち状態に戻さない限り入力や入力、入力の技を出すことができなくなる。かわりに、立ち状態からは出せないしゃがみ中入力、立ち途中入力の技が可能になる。

 まだまだ未解説な用語はあるが、それらはおいおい解説していくので、気長に構えてほしい。

確定反撃


 攻撃をガードすると、ガード不利(ガード硬直)が発生する。反撃側は攻撃した側よりも早く動けるのだが、ガード不利が大きすぎる場合、ガードが間に合わない無防備な隙に反撃を叩き込むことができる。反撃が確定することから、この反撃を確定反撃と呼ぶ。

確定反撃とリスク


 駆け引きの中で技を選択する際、「ガードされたときに確定反撃を受けるかどうか」が判断基準のひとつになる。
 性能の良い(リターンが大きい)技は、バランスを取るためにたいてい不利になる要素も組み込んであるものだが、ガード硬直が大きいという不利要素が組み込まれている技は、使うたびに確定反撃を受けるリスクを負う。また、相手が多用する技が、もし確定反撃可能な技であれば、反撃でリスクを負わせていくことが可能になる。
 たとえばミツルギの天囃子(B/中)。ヒットすればコンボも含めて63点のダメージだが、ガード硬直は−16F。ピュラにガードされると、発生14Fのエンジェルストライク〜エヴァンジェルフェイト(Bヒット時、ジャスト)による確定反撃を受けて、62点失う可能性がある。
 必ず攻撃を当てれるならともかく、特に中段攻撃は相手にガードされることが前提になる。そのリスクの検証に、フレームデータの知識が必須になってくる。

先行入力と確定反撃


 攻撃の最中やガード、相手の攻撃をくらってやられ状態にある最中など、画面上のキャラクタが一定の強制アニメーション、強制モーションを行っている時間を、硬直時間と呼ぶ。
 この硬直時間中に、硬直が解けた直後の行動を先にコマンド入力しておくことを先行入力と呼ぶ。先行入力を行っておけば、硬直が解けた瞬間に、キャラクタは継ぎ目なしに次の行動を開始してくれる。つまり、硬直明けからの最速の追撃や最速の反撃が可能になる。
 写真は、ミツルギの天囃子(B/中、ガード硬直−16F)に対して、パトロクロスがジャスティスドライブ(B/中、発生15F)で確定反撃を行ったもの。先行入力でBコマンドを入力しているため、きっちり反撃が確定している。

  or 要素のからんだ8WAY-RUNから出せる技は、硬直中に先行入力した場合、クイックムーブ(9〜10F)を経由しないと出てくれない。その分だけ技の出が遅れる。
 写真は、ミツルギの天囃子(B/中、ガード硬直−16F)に対して、ラファエルが発生16Fのブラッドムーン( or RUN中KB/中上)で確定反撃を試みたシーン。先行入力でコマンドを入力するが、硬直明けにクイックムーブを経由して技が出るため、ガード硬直−16Fに確定反撃が間に合わない。
 ちなみに、RUN技でもRUN技、RUN技はクイックムーブが発生しないため、の先行入力でフレームデータ通りの発生が可能。

 先行入力の受付幅は15Fある。硬直が明ける前15Fに入力したコマンドが、硬直明け最速でゲームに反映される。
 ただし一部の技は先行入力ができないので注意。たとえばピュラΩのアポリュオンストライク(ダブルネメシスステップ中B/中)。ダブルネメシスステップ(以下、DNS)のコマンドはだが、DNSの成立条件が厳密には「ネメシスステップ()中」となっており、硬直中にのコマンド全てを入れても、出るのはネメシスステップまで。アポリュオンストライクの発生自体は13Fだが、硬直が明けてネメシスステップが発生した状況を見切って、追加入力を入力する必要があるため、写真のようにパトロクロスのグローリーヘブン(B/中、ガード硬直−16F)に対して確定反撃を試みても、まったく安定しない。

 また、ガードの状態によって先行入力できる技が異なる。ガード後が立ち状態の場合は、しゃがみ状態からの技を出すことができない。逆に、ガード後がしゃがみ状態の場合は、立ち状態からの技を出すことができない。
 出せない技を細かく挙げると、立ち状態ではしゃがみ中B、立ち途中A等の入力条件がついた技を出すことができない。しゃがみ状態では、ニュートラル入力のAAやBB、B・B・Bといった要素の技が出せない。
 写真、セルバンテスのアンカースワールキック( or RUN中K/下)はガード硬直−16F、発生16F以内の技で確定反撃が可能。ラファエルの確定反撃は、−16Fに対してBが有効なのだが、それは立ち状態からの話。下段ガード > しゃがみ状態からの行動になるため、Bを入力するとしゃがみBが出てしまっている。

TIPS:最速の反撃

 どのくらいガード硬直があれば確定反撃をもらうのか。以下に発生別の一覧表を用意した。
 いくつかキャラクタが表中で重複するが、ゲージ依存であったり、姿勢依存であったりで条件付きである場合を考慮して、広くフォローしたため。また、キャラによって発生とコマンドが共通する部分はひとまとめにしてある(AA、しゃがみ中A、K)。
 「※理論値」とある場合、その技は先行入力ができず、最速入力=硬直明けジャストで入力に成功した場合の発生の値になる。

発生F キャラクタ 技名(コマンド/判定) ダメージ 備考
8F αパトロクロス
ディバインアーツ:チハヤブル・スラッシュ
 (A+B+K/中,投げ)
55 クリティカルエッジ
ナツ 野滅(a+b-A/上) 8 ※理論値
10F セルバンテス カースド・ロマンファイア
 (A+B+K/上段ガード不能)
50 クリティカルエッジ、コンボ始動
デビル仁流派 閃光烈拳(AB/上上中) 44
ナツ 死火熾(2)(AA/上上) 18
啓龕(aジャスト/上中中) 42
ヨシミツ 万字座正拳(a-B/特下) 10 ※理論値
11F セルバンテス パイレーツクロス(a-B/上中) 40
レイシャ
ピュラ
GSティラ
−(AA/上上) 18〜
12F αパトロクロス アラダマ・ツウィスター
 (しゃがみ中a-Bファスト/中)
42 ※理論値、コンボ始動
アイヴィー ケイジチェイサー(bK/上下) 40
ラファエル ラピッドタックプラス(2)(B/上上) 16
ロイヤルヴェクサシオン
 (A+B+K/中,投げ)
75 クリティカルエッジ
αパトロクロス
ダンピエール
エツィオ
マキシ
パトロクロス
ピュラΩ ヴィオラ
ヨシミツ
−(AA/上上) 22〜
アスタロス
セルバンテス
ナイトメア
ジークフリート
シバ
上記5キャラ以外
−(しゃがみ中A/特下)
13F アイオーン
アルゴル
ヒルダ
ミツルギ
JSティラ
ヴォルド
−(AA/上上)
アスタロス ヴゥロス・クラッグ(A+G/しゃがみ投げ) 45 投げ抜け可
トゥロス・アズール(B+G/しゃがみ投げ) 55 投げ抜け可
全キャラ −(K/上)


 最速攻撃はαパトロクロスのディバインアーツ:チハヤブル・スラッシュ(A+B+K/中,投げ)とナツの野滅(a+b-A/上)で発生8F。ただし、前者はクリティカルエッジのため常には使えない。後者は先行入力ができないため実戦では不安定(ちなみに、厳密には発生8Fではなく7F)。

 全キャラ共通で立ちKは発生13Fのため、表中でまったく(あるいはなかなか)名前の挙がらないアスタロス、ナイトメア、ジークフリート、シバ、ツヴァイもこれ以降でなら確定反撃が可能になる。

確定反撃の練習

トレーニングモードで練習

 確定反撃については、いずれ全てのキャラの全ての技に対して、自キャラの可能な確定反撃を把握することが目標。……なのはさておき、いきなり全てが身に付くわけがないので、地道にひとつひとつ覚えていくことになる。

 手始めに、ピュラのエンジェルストライク(B/中)への確定反撃を覚えてみよう。
  • トレーニングモードで対戦相手にピュラを選択。
  • トレーニングオプション > 2P制御設定 > 2Pプレイヤー:コマンドレコードを選択
  • PS3:SELECT+START、XBOX360:BACK+STARTで2P側のコマンドが記憶されるので「B > G」を入力。
    ※2P側からの入力なので、実際は「B > G」という入力になる。
     入力に失敗したら、もう一度記録開始。
  • 記録が終わったらPS3:SELECT、XBOX 360:BACKで記録終了。
  • PS3:SELECT+×、XBOX 360:BACK+Aで再生。
  • エンジェルストライクのガードに確定反撃をきめる。
 エンジェルストライクのガード硬直は−19F。このサイト内の各キャラクタの攻略にある、PUNISHのページを開くと、確定反撃技の発生別早見表が記載されている。COMBOページにあるコンボレシピを参考にしながら、最大ダメージになる確定反撃を探してみよう。

 また、このトライアルで行った「コマンドレコードに記録して動作を確認する」手順は、調べ物を行う上で最もポピュラーな操作になるので覚えておこう。

クイックバトルで練習


 Quick Battleで対戦相手検索条件を、エリア:アメリカ、相手の強さ:中級者に設定して検索開始。『XAKI』(ランクB5/セルバンテス)を対戦相手に選ぼう。
 『XAKI』は、セルバンテスのジオ・ダ・レイ・ピリオド(Bジャスト/中)=通称ソクダを連発する特殊なCPU。ソクダ始動のコンボはなんと体力の4割をも消し飛ばしてしまう。ただし、戦術もなくただぶっぱなしてくるだけなので、ガード後に確定反撃をきめるだけで倒せてしまう。
 このトライアルの課題は「確定反撃だけで処理しよう」。ソクダのガード硬直は−21Fなので、あらかじめトレーニングモードで確定反撃(と続くコンボレシピ)を準備した上で挑むこと。

 また、せっかくなので腕試しで何ラウンドかはまともに勝負してみるのも良い。ソクダは入力の難しい技のひとつだが、上級者セルバンテス使いは、CPUと同様にこの技を苦もなく連発してくる。上級者の脅威の片鱗を味わってみよう。